これが、私の相棒でした。ギネス正式認定世界最速バイクです。世界的な馬力規制が始まったので、今後、ギネスブックにおいて、このバイクより速い市販車バイクは登場しません。
そんな話を聞いたのが、3年前。当時私は、KAWASAKIGPZ900RNINJAという、憧れて憧れて憧れてやっと買って10年以上乗ったバイクから、世界唯一の自分好みのバイクを作りたいという気持ちで、改造しまりくのゼファー1100に乗っていました。色やパーツや見た目などなど、これぞKAWASAKIのバイク魂のような雰囲気に仕上げていたところでした。
しかし、いくら1100ccあると言っても、空冷エンジンでギアが5速までしかないバイクは、どう改造しても、スポーツ車にはかなわないという現実にぶつかって、悩んでいた時期でもあったのを思い出します。
そんなときに、「隼」の話が舞い込んできて、気付いたら、自分の目の前にありました。
それを、今回手放すことになりました。
いえ、手放すことにしました。
19歳から、ちょっとした勢いで、400ccのバイクに乗ることになり、気付いたら、20年以上ずっと乗り続けていました。
バイクを売ることは、新しいバイクに乗ることだった私の人生で、初めて、本当に売るだけの目的で下取りに出しました。
前職を辞めてから、自分で始めた事業がうまくいっていないことはありますが、私の中に、「バイクを売って、金銭を工面する」という案は、全くありませんでした。
なぜなら、いつも私の横にはバイクがあるのが当たりまえだったからです。
でも、どうして、前の仕事を辞めたのか?と自分に問い直したとき、気付きました。
”オレは、日本を出て、世界を飛び回って、みんなの役に立つことがしたい”んだった。
今の事業がうまくいくまで、このバイクを眠らせておくことは出来るが、
経済的にうまくいったときは、イコール、この場所にはいないということ。
つまり、今のままでも、うまくいっても、もう、バイクにゆっくり乗るという時間は、ない。
オレにとってのバイクは、飾り物でも、コレクトするモノでもない。
バイクは、走るために生まれてきたのだから、持ち主のエゴで、飾り物にするのは、
自分の中では許せないこと。
ということで、手放すことにしたのです。
自分の体に今、ポッカリと穴が開いている気分です。
今まであった自分のハネが、もぎ取られた気分です。
でも、1つだけ、気付いたことがあります。
バイクレース事故でのケガの恐怖から、レースを辞めたのがきっかけで、教習所では取れない当時、超難関試験の代名詞だった大型2輪の免許を苦労してとって、奇跡的な出会いで手に入れることが出来た、
欲しくて憧れ続けた900RNinjaというバイク。これは、欲しくて欲しかった。
中古で買ったのに10年以上も乗り続けました。
でも、その後の2台は、欲しかったとか、憧れていたとかというよりも、
「乗ってみたかった」という気持ちでした。
もちろん、1日眺めていてもイイくらい気に入っていましたが、
結局、その2台とも、3年で、手放すことに。
つまり、「どうしても欲しい!」と思ったモノを手に入れたら、そう簡単には手放さないけど、
やったことない経験だから、「やってみたい」と思ったことは、自分がその経験に満足したら、終わってしまうのかなと。
どちらにしても、自分が望んだモノは、諦めなければ、いつか手に入る。
そして、自分が望んだ気持ちのレベルも、そのまま結果になる・・・。
結局、結果は、自分が最初から決めているんですよね。
そして、今回、私が決めたことは、”自分の残りの人生で、隼はもう必要ない”ということ。
自分の目の前にバイクのない人生・・・どうなるのか、自分でも想像つきません。
ただ、分かっているのは、
今まで私が知らない、新しい自分ができあがるということ。
そして、それを自分の望む方向にするのは、自分だということですね。

